映画『ベイビー・ブローカー』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

韓国

2022年6月24日に日本で公開された映画『ベイビー・ブローカー』。
この記事では、映画『ベイビー・ブローカー』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『ベイビー・ブローカー』の予告編

諸事情により赤ちゃんを育てられない人が、一時的に赤ちゃんを預ける「ベイビーボックス」。
とある理由で預けられた赤ちゃんを、金のために人身売買しようとする男たち。
それを追う刑事、赤ん坊の母親と様々な思惑が絡みながら進んでいく人間ドラマになっています。
韓国だけでなく、世界が抱える貧困や虐待などの問題も描かれています。

映画『ベイビー・ブローカー』のあらすじ(ネタバレなし)

福祉施設に設置されている「ベイビーボックス」
それは、何らかの理由により新生児を育てられない人が一時的に赤ちゃんを預け入れる緊急避難場所です。
ある夜、ベイビーボックスの前に一人の赤ちゃんが置き去りにされました。
施設に勤めるドンスは捨てられた赤ちゃんを利用し、人身売買をたくらみます。
仲間のサンヒョンと共に、赤ちゃんを高く買ってくれる買い手の元に行こうとしますが、考え直した母親が戻ってきます。
面倒を恐れた男二人は、裕福な暮らしをした方が赤ちゃんのためだと母親を説得します。売ったお金を分配することで納得させ、ともに赤ちゃんを売る旅に出ます。
一方、人身売買を摘発したい女性刑事がそんな3人の後を追っていました。
様々な思惑を乗せた奇妙な旅が始まるのです。

映画『ベイビー・ブローカー』の解説

韓国映画ですが、メガホンをとったのは是枝裕和監督です。全編韓国ロケで撮影されました。
2020年に製作が発表されましたが、企画はその5年前から進行していました。
第75回カンヌ国際映画祭にコンペティション部門正式出品作です。
本作はエキュメニカル審査員賞(キリスト教関係の審査員が素晴らしい人間ドラマに授与する賞)を受賞、ソン・ガンホは最優秀男優賞に輝きました。
サンヒョン役には最初からソン・ガンホを念頭に置いており、いつか一緒に仕事がしたかったと是枝監督が語っています。
ぺ・ドゥナとは『空気人形』以来の再タッグとなりました。

映画『ベイビー・ブローカー』のみどころ

人身売買・わが子の置き去りという重いテーマを扱っていながら、ソン・ガンホのもつコミカルなタッチで不思議と画面が重くなりません。
しかし、思い決心をした時のソン・ガンホの目つきがガラッとかわり、さすがの演技力と感じました。
赤ちゃんをうるための旅なんですが、不思議とみんながまとまっていくのが伝わり、家族旅行の様子を見ているようでした。
重いテーマを説教臭くなく、かといってちゃかすわけでもなく淡々と描く是枝監督、善悪の境をはっきりつけずに物事の本質を伝えてくれました。
家族について、あらためて考えさせられる作品になっています。

映画『ベイビー・ブローカー』の感想

赤ちゃんを置き去りにした母の真相が最後まではっきりとわからず、観客に答えをゆだねた形になっています。
何かを言おうとする電車がトンネルに入り、母親の表情が見えなくなるのは監督の計算なんでしょうか?
女性刑事の背景も察することが出来、女として共感するところも多くありました。
ふんわりした結末になっていますが、見終わった後の余韻を楽しむのが是枝作品の醍醐味だと思っています。

映画『ベイビー・ブローカー』の登場人物・キャスト

ハ・サンヒョン:ソン・ガンホ
アン・スジン:ペ・ドゥナ
ユン・ドンス:カン・ドンウォン
ムン・ソヨン:イ・ジウン
イ・刑事:イ・ジュヨン
へジン:イム・スンス

映画『ベイビー・ブローカー』のスタッフ

監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
製作:ユージン・リー
音楽:チョン・ジェイル(朝鮮語版)
撮影:ホン・ギョンピョ(朝鮮語版)
編集:是枝裕和
製作会社:ZIP CINEMA
配給韓国: CJエンタテインメント
日本:ギャガ

公開韓国:2022年6月8日
香港:2022年6月23日
日本: 2022年6月24日
上映時間:129分
製作国:韓国

タイトルとURLをコピーしました