映画『学校』あらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想

邦画

1993年11月6日に公開された映画『学校』。
この記事では、映画『学校』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『学校』の要約

巨匠・山田洋次が贈るヒューマンドラマ。夜間中学校を舞台に、心温まる交流を描く。

下町の夜間学校の教師である黒井と様々な家庭環境を有する生徒たちとの
学校を舞台にした映画です。

これからの時代を担う若者や、既に子供が成人してる高齢の生徒など多種多様な生徒たちが同じ教室で学ぶ姿を描く事で、それぞれの生徒たちが抱えている事情の違いが明らかになってくる。

やがて生徒たちは一人の生徒の死をきっかけにして、幸せとは何か、そしてどんな時に幸せになったと言えるのかなどを真剣に議論していきます。

映画『学校』のあらすじ(ネタバレなし)

夜間中学の教師である黒井は、勤務する学校の教頭から転勤の打診をされていた。しかし夜間学校で教師のキャリアを当面過ごしたい黒井はこの申し出を断る。

黒井が受け持つクラスには、多くの事情を抱えた多種多様な生徒が学んでいる。
不登校のえり子、日本の社会になかなか適応できていないチャン、焼肉店を営む50代の学生オモニ、不良のみどり、清掃会社で働くカズ競馬好きのイノ、そして脳性麻痺の修など実に多彩なクラスメートである。

ある時、イノさんが体調を壊し故郷の山形に戻る事となる。
イノさんは読み書きを学んで運転免許を取る事が目標であったが、残念ながらイノさんは再び元気で学校に戻ってくる事はなかった。

映画『学校』の解説

学校は、1993年に日本公開された映画です。
監督は、「男はつらいよ」など数々の日本映画を製作してきた山田洋次監督。
すでに1970代から映画の構想自体はあったがようやく90年代に製作がなされた作品で、構想期間が長きに及んだ末に完成した映画である。

各方面で多くの反響があり、1994年に開催された日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した。
他にも山田洋次監督に最優秀監督賞、山田洋次監督と朝間義隆に最優秀脚本賞、主演の西田敏行に最優秀主演男優賞、イノさん役の田中邦衛に最優秀助演男優賞、さらに最優秀録音賞の6つの分野で最優秀賞を受賞したほか、8つの分野でノミネートされ90年代を代表する映画となった。

後にこの映画は山田洋次監督の元でシリーズ化され4つの作品が製作される事となりました。

映画『学校』のみどころ

イノさん役の田中邦衛さんの演技は見どころです。
イノさんは純粋に算数や読み書きを学んでいきます。
職を転々としたイノさんは、過去に妹を失い50代にして頼るべき人が身近にはいない。

映画の途中で英語教師の田島先生に好意を抱くシーンがあります。
田島先生には子があるため黒井先生から諭され、思わず暴れてしまうシーンがあります。
ここは見どころといえます。

決してレールに乗った人生を歩んで来たわけではないイノさんにとって、田島先生は唯一の安らぎだったからこそあれだけ我を忘れて暴れたはずです。
今の時代多くの人が一人で生きていく時代でもありますが、人生に彩りと与えるのは愛すべき人がいてこそ。
あのシーンは自暴自棄でもあると共にイノさんの悲しい心の叫びとも思えて、とても印象的なシーンだと思いました。
またクラスで幸せの意義を話すシーンで、何が幸せかと話し合うシーンは、なるほどと思わせるこの映画最大の見せ場だと感じました。

映画『学校』の感想

この映画は、価値観や文化的な背景が違う多種多様な人たちが夜間学校という場所に集い、お互いの考えを述べながら成長していく姿を描いています。
映画から知識を学ぼうと思い始めた時期に遅すぎるという事は決してなく、知識を得ようと決断した日こそが、一番若い日であり自分の人生を新しいものにしていく記念日という意識にさせてくれる映画だと感じる映画です。

映画『学校』の登場人物・キャスト

黒井先生:西田敏行
田島先生: 竹下景子
イノさん: 田中邦衛
カズ :萩原聖人
えり子: 中江有里
オモニ:新屋英子
張(チャン):翁華栄

映画『学校』のスタッフ

監督:山田洋次
脚本:山田洋次・朝間義隆
製作:中川滋弘,深澤宏(プロデューサー)
撮影:高羽哲夫・長沼六男
音楽:冨田勲
美術:出川三男・横山豊
編集:石井巌

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