日本では1990年9月27日に公開された映画『櫻の園』。
この記事では、映画『櫻の園』のあらすじ(ネタバレなし)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『櫻の園』の公式予告編
《櫻の園 ・予告編》
春の創立記念日にチェーホフの「桜の園」を上演する伝統がある名門女子高校演劇部員たちの、開演前2時間のデリケートな心の動きを描く学園群像ドラマの傑作。「河よりも長くゆるやかに」「BANANA FISH」の人気マンガ家・吉田秋生の同名マンガを原作に、「12人の優しい日本人」「コンセント」「DV」の中原俊が映画化。”熱血”でも”絵空事”でもない、ごく普通の青春を瑞々しく描いている。キネマ旬報ベストテン第1位など数々の映画賞に輝く。
『櫻の園』開園までの2時間を、そのまま映画の時間に当てはめた中で進行していく。
開演までの舞台裏での騒動を、少女たちの日常の複雑な感情や不安・切なさと合わせ繊細に描かれている。
演劇部の20人以上の部員はオーディションで選出しされた新人が多かったためか、女子高生の群像がリアルに描かれている。
『櫻の園』は、吉田秋生の描いた漫画で、1985年から1986年にかけて『LaLa』で連載された。
映画『櫻の園』のあらすじ(ネタバレなし)
私立櫻華女学園。演劇部では毎年桜の咲く春の創立記念日に、チェーホフの「櫻の園」を上演することが伝統となっていた。
2時間後の開演を前に集まり準備に奔走する中に、あちこちで、他愛のないおしゃべりや噂話が。
ところが、仲間の意外な行動や出来事で彼女たちの気持ちが大きく揺さぶられることに。
このままでは上演できなくなるのではという出来事も。
果たして、無事上演できるのか。
彼女たちはそれぞれの思いで過ごす中、開幕時間は近付いてきた。
映画『櫻の園』の解説
1990年製作/96分/日本
配給:アルゴプロジェクト
吉田秋生の原作漫画をアレンジし映画化、脚本はじんのひろあきが執筆。
中原俊監督がその世界観を見事に描き、代表作となりました。
2008年にはそうそうたる俳優陣でリメイクされましたが、この作品を超えることはできませんでした。
90年度キネマ旬報日本映画ベスト・テン第1位、日本映画監督賞、脚本賞受賞
90年度毎日映画コンクール日本映画優秀賞、女優助演賞(つみきみほ)受賞
第15回報知映画賞作品賞受賞
他多数の賞を受賞
映画『櫻の園』の見どころ
創立記念日に毎年演じられる「櫻の園」の上演を2時間後に控えた舞台裏で起こる少女たちの思いや葛藤が詰まった秀作です。
オーディションで選ばれた、まだ無名に近い少女たちの演技も親近感を感じ、話の展開は淡々としていますが飽きることなく、等身大の女子高生の甘酸っぱく瑞々しい青春が感じられます。
バックに流れるショパンのピアノもとても合っています。
映画『櫻の園』の感想
演劇部の開演までの2時間を淡々と描いていますが、女子高生の日常に起こっていることがギュッと濃縮されていて、青春だなあと感じました。
映像や流れる音楽に役者さんの演技が重なって、臨場感あふれるシーンも美しく良かったです。
中島ひろ子さん、つみきみほさんの演技が光っていました。
映画『櫻の園』の登場人物・キャスト
志水由布子:中島ひろ子
杉山紀子:つみきみほ
倉田知世子:白鳥靖代
映画『櫻の園』のスタッフ
原作:吉田秋生
脚本:じんのひろあき
監督:中原俊脚本:
音楽:熊本マリ「ショパンの主題による変奏曲」
製作:岡田裕
プロデューサー:笹岡幸三郎