日本では2021年3月26日に公開された映画『騙し絵の牙』。
この記事では、映画『騙し絵の牙』のあらすじ(ネタバレなし)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『騙し絵の牙』の公式予告編
《騙し絵の牙 ・予告編》
出版業界は不況の真っただ中。その煽りをうけ大手出版社の「薫風社」も例外ではありませんでした。
社長の急逝により、次期社長争いが勃発、専務の東松による大改革がはじまります。
その結果、雑誌が次々と廃刊の危機に陥ることになりました。
カルチャー紙「トリニティ」も例外に漏れず廃刊候補になり、編集長の速水は廃刊を防ごうと奔走することになるのです。
映画『騙し絵の牙』のあらすじ(ネタバレなし)
長い歴史を持つ出版社「薫風社」の社長伊庭喜之助が、ある日突然急逝します。社内は後継者争いに揺れます。次期社長候補と言われていた伊庭の息子、惟高はアメリカに行くことになります。惟高が社長に就任するまでのつなぎ役として、営業出身の東松が社長に就任することになります。時は出版業界不況、社内の改革を強引に押し進めようとする東松は文芸誌「小説薫風」とカルチャー紙「トリニティ」の廃刊を目論んでいました。「トリニティ」の編集長、速水は「トリニティ」の廃刊を阻止するべく様々な奇策を行い対抗していくのです。そのために、多くの社員が速水により混乱に陥れられてゆくのです。
映画『騙し絵の牙』の解説
公開は当初2020年6月19日の予定でしたが、新型コロナウィルスの影響により2021年3月26日に公開となりました。
原作者の塩田氏は、編集長の速水に大泉洋さんをモデルとして執筆しており、出版界と大泉氏を4年間徹底取材し書き上げました。
しかし、映画化にあたり原作の一部を再構築したため、大泉洋さんらしさを排除した形になっており、大泉氏も「(あてがきだったのに)私が出た映画で一番私っぽくなかった」と語っています。そのため、映画と原作は少し違った作風になっています。
原作は2018年の本屋大賞にノミネートされています。
映画『騙し絵の牙』の見どころ
スピード感あふれる展開で、油断していると話についていけなくなります。吉田監督の醸し出すミステリアスなタッチも相まって、素晴らしい作品に仕上がっています。
大泉さんの醸し出すコミカルな雰囲気も崩さずに、仕事のできる頭の切れる速水を見事に演じていました。
また、松岡茉優さん演じる新人編集者も速水に気持ちよく振り回され、利用されていました。
社内争い映画と見せかけて、様々な野望が渦巻いている大手出版社を覗き見ることが出来ました。
東松を演じる佐藤浩市さんが、いかにも現場たたき上げの専務をシビアに、冷酷に演じてくれます。
どんでん返しあり、サスペンスありの出版業界エンターテイメントに仕上がっています。
映画『騙し絵の牙』の感想
一回見ただけだと、理解できないほど展開が早い。かつどんでん返しに次ぐどんでん返しで、ついていくのがやっとでした。
大泉さんもいつのも洋ちゃんを封印し、かっこいい編集長を演じていました。でも、時折見せてくれる表情でほっとしますね、この役は大泉さんしか演じることは出来ないのではないでしょうか。
皆さんが本が好き、その気持ちが根底にながれていて本屋に行きたくなる作品でしたね。
映画『騙し絵の牙』の登場人物・キャスト
役名:俳優
速水輝:大泉洋
高野恵:松岡茉優
東松龍司:佐藤浩市
矢代聖:宮沢氷魚
城島咲:池田エライザ
伊庭惟高:中村倫也
郡司一:斎藤工
謎の男:リリーフランキー
映画『騙し絵の牙』のスタッフ
監督:吉田大八
脚本:塩野一郎
原作:塩野武士
再作会社:松竹撮影所
配給:松竹
上映時間:113分
公開:2021年3月26日