1963年7月20日に日本で公開された映画『鳥』。
この記事では、映画『鳥』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『鳥』の予告編
1970年代に量産された動物パニック映画の原点でもある。
原因不明のまま、あらゆる鳥が一斉に人間を襲い始める。
Wikipediaより引用
メラニーという女性が、たまたま入店したペットショップで出会ったミッチと名乗る弁護士の男性。ミッチは、不思議な事にメラニーと以前出会った事があると告げる。
唐突な出会いでもあり、ミッチの言動の好奇心が起きたメラニーは、ミッチの元を訪ねて行く事としました。
そしてその場所で、メラニーやミッチ、さらにその知人たちが、信じられないほどの鳥の集団から次々と襲われる恐怖の経験を描いた作品です。
サスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコックが贈る、大量の鳥に襲われる想像以上の恐怖とパニック。
映画『鳥』のあらすじ(ネタバレなし)
小鳥屋に出向いたメラニーはミッチという男性と出会います。
ミッチは、妹のためラブバードという鳥を探していました。
メラニーを店員と勘違いしたミッチは、彼女に声をかけます。
ラブバードは店にはありませんでしたが、急にミッチはメラニーに出会った事があると告げます。
メラニーは面識がなかったため、何か気になりました。
メラニーは店の経営者にラブバードの入荷日を尋ね、ラブバードを自ら購入します。
さらにミッチが乗っていた車のナンバーからミッチの所在を突き止め、ラブバードを届けてあげようと出向きました。
そして無事ラブバードを届けた直後にメラニーはカモメに額をつつかれケガをしてしまいます。
メラニーが自宅に来た事に気が付いたミッチは、ケガをしたメラニーを見つけるや保護し、自分の家のとどまるように告げ、ミッチの妹たちと対面を果たす事となります。
やがてメラニーやミッチそして隣人たちが鳥の恐怖にさらされていく。
映画『鳥』の解説
1963年製作のアメリカ映画です。
監督は、サスペンス映画の巨匠であるアルフレッド・ヒッチコック。
1970年代に盛んに製作された、動物が人間を襲う映画の先駆け的存在の映画といえます。
日本で公開されたのも1963年。日本でも好評を得た作品です。
この映画の主役のメラニー役は元々は、あのグレース・ケリーを想定していたそうです。
グレース・ケリーと言えばヒッチコック映画の常連のキャストで、彼女であればまた違った雰囲気のハンター役を演じていたかもしれないと想像すると、また違った視点でこの映画を見る事ができます。
この映画は音楽が使用されておらず音声は鳥の声と効果音という特徴があります。
世界でも有数の映画祭であるカンヌ国際映画祭で招待作品として上映された秀作であり、1963年開催のアカデミー賞では効果音楽賞にノミネートされた作品です。
映画『鳥』のみどころ
この映画では、最初にメラニーがモーターボート上でカモメに襲われて以来、次第にスクリーン上に鳥たちが街の周囲を不気味に飛びまわるシーンが見どころになります。
そして、ついに妹のキャシーのパーティでカモメの集団が襲ってくる見どころが来ます。
逃げ惑う子供たちを、メラリーが誘導し家の中に逃げ込むシーンは注目です。
そして、パーティーでカモメの襲撃を受けた夜、今度は暖炉から家に入ってきたスズメの集団に襲われます。追い払おうとするミッチの姿は大量に襲ってきたスズメへの脅威をうまく表現しています。
続々と街中のいたるところで鳥たちの終わりのない襲撃に逃げ惑い、やがて自宅に避難したミッチやメラニー、キャシーたちを家の中にまで襲ってくるこの映画最大の見せ場がやってきます。
また、パニック映画の中で子供に対する母親の強い愛情に対して戸惑いを感じる恋人の女性の心情を描くなど、人間模様も同時に描いた見ごたえある映画です。
映画『鳥』の感想
鳥が大量に人間を襲ってくるサスペンス感ある映画です。
鳥が人間をあれほど執念を抱いて大量に襲ってくる場面を、1960年代に映像化できた技術の高さには驚きを感じます。
映画の随所に鳥の鳴き声がタイミングよく、挿入され雰囲気を盛り上げるには極めて効果的です。
ヒッチコック監督のセンスの良さを改めて再認識させられる映画といえます。
映画『鳥』の登場人物・キャスト
メラニー・ダニエルズ:ティッピ・ヘドレン
ミッチ・ブレナー:ロッド・テイラー
リディア・ブレナー:ジェシカ・タンディ
キャシー・ブレナー: ヴェロニカ・カートライト
アニー・ヘイワース:スザンヌ・プレシェット
映画『鳥』のスタッフ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:エヴァン・ハンター
原作:ダフニ・デュ・モーリエ
製作:アルフレッド・ヒッチコック
撮影:ロバート・バークス
編集:ジョージ・トマシーニ
音声:バーナード・ハーマン