映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のあらすじ・みどころ・解説・感想

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日本では2022年5月6日に公開された映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』。

この記事では、映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のあらすじ(ネタバレなし)・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の公式予告編

《マイ・ニューヨーク・ダイアリー ・予告編》

”J.D.サリンジャー”の出版社に就職した主人公。夢を追いかけ人生の1ページを切り開く!

大学を卒業した作家志望の若い女性が、ニューヨークの老舗出版代理店に就職します。

その会社は、すでに隠遁していた作家J・D・サリンジャーの代理人を務めており、彼女は彼宛てに届くファンレターへの対応を任されます。
やがて、時折り会社へ電話をかけてくるサリンジャー本人とのやり取りや、サリンジャーの新しい出版物の企画への参加を通して少しずつ成長していくのでした。

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のあらすじ(ネタバレなし)

1996年、大学を卒業したての女性ジョアンナは、作家を夢見ながらニューヨークの老舗出版代理店への就職を果たします。

そこは、すでに隠遁生活を送っていた大作家J・D・サリンジャーの代理人を務めていました。彼女は、そこでサリンジャー宛てにいまだに各地から届く大量のファンレターに対する返信を任されます。

当初は会社から決められた紋切り型の内容を書いていましたが、手紙の送り主たちの想いに寄り添ううちに、会社からの指示に反し彼女自身の言葉で返信するようになるのでした。

やがて、当時同棲していた同じく作家志望の彼氏との関係の変化や、自分の才能への不安感から落ち込んでいきます。そんな時、会社へ掛かってくるサリンジャー本人からの電話で彼から掛けられる言葉に励まされます。

そして、サリンジャーがかつて雑誌にのみ発表していた小説の出版が決まり、彼女はその企画を任されるのでした。

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の解説

原作はジョアンナ・ラコフという作家が出版代理店での自身の日々を綴った2014年刊行の回顧録「サリンジャーと過ごした日々」。
翻訳版は2015年に刊行されました。

サリンジャー担当のエージェントと新人アシスタントの知られざる実話と話題!

製作はカナダとアイルランドの合作で、2020年にまず第70回ベルリン国際映画祭にてオープニング作品として上映された後、翌2021年にカナダで公開、日本でもさらに翌年の2022年に公開されました。
主演を務めたのは、クエンティン・タランティーノの作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』での伸び伸びとした演技が印象的だった1994年生まれの新鋭マーガレット・クアリー。

そして、彼女の上司を演じたのは『エイリアン』シリーズ等でおなじみの名優シガニー・ウィーバーです。監督と脚本はカナダ出身のフィリップ・ファラルドー。国際映画祭での受賞歴やアカデミー賞でのノミネート歴もあるなどこれまでに一定の評価を得ている監督です。

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の見どころ

みどころは、マーガレット・クアリーやシガニー・ウィーバーら俳優たちの好演もさることながら、謎に包まれた作家サリンジャーの知られざる人となりが描かれていることです。

また、1990年代の文化や流行もさりげなく盛り込まれつつも、老舗出版社の醸し出すレトロな雰囲気や知的で威厳を感じさせるオフィスの佇まいも目を引きます。

そして、90年代が舞台でありながらどこか洗練され落ち着いたファッションもみどころのひとつです。実話を元にしてはいますが、主人公の心のありようまでを映像化した演出や、手紙の送り主たちそれぞれが語りかけてくる演出も目を見張り、作品を見事に特徴づけています。

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の感想

この作品に興味をもったきっかけは主人公を演じたマーガレット・クアリーでした。
以前に出演したクエンティン・タランティーノの作品での演技が印象的だったので、出版社が主な舞台のこの作品でどのよな演技を見せるのかとても興味がありました。

結果としては名優シガニー・ウィーバーの落ち着いた貫禄の芝居にも引けを取らない見事なものでした。一方で作品への評価としては個人的に佳作という印象に留まっています。
ひとつには、主人公の心象を映像化したことや手紙の送り主たちを登場させた演出に対して今一つしっくりこなかったことがあります。

いずれにせよ、あのサリンジャーの知られざるキャラクターを知ることが出来る稀有な作品だと思います。

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の登場人物・キャスト

役名:俳優

ジョアンナ:マーガレット・クアリー
マーガレット:シガニー・ウィーバー
ドン:ダグラス・ブース
ダニエル:コルム・フィオール
ジェニー:ショーナ・カースレイク
ヒュー:ブライアン・F・オバーン
リサ:シャオ・スン
少年:テオドール・ペルラン
マックス:ヤニック・トゥルースデール
カール:ハムザ・ハク
パム:レニー・パーカー
J・D・サリンジャー:ティム・ポスト

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のスタッフ

監督:フィリップ・ファラルドー
脚本:フィリップ・ファラルドー
原作:ジョアンナ・ラコフ『サリンジャーと過ごした日々』(柏書房)
製作:リュック・デリー、キム・マクロー
製作総指揮:フィリップ・ファラルドー、ジョアンナ・ラコフ、ナイマ・アベド、フサイン・アマルシ、エミール・ジョルジュ、セリーヌ・ハダド、メアリー・ジェーン・スカルスキー
音楽:マーティン・レオン
撮影:サラ・ミシャラ
編集:メアリー・フィンレイ
衣装(シガニー・ウィーバー):アン・ロス

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