日本では2000年4月19日に公開された映画『アメリカン・ビューティー』。
この記事では、映画『アメリカン・ビューティー』のあらすじ(ネタバレなし)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『アメリカン・ビューティー』公式予告編
映画『アメリカン・ビューティー』予告編
レスター・バーナムは一見、仕事と家庭に恵まれたサラリーマン。
彼の家庭は妻があまり家族を顧みず、娘は反抗期で父親を嫌い、実質バラバラになっていました。
そんなある日、娘のチアリーディングを見に行ったレスターは、娘の友達のアンジェラに一目ぼれしてしまいます。その時から彼と彼の日常の均衡は崩れだし、周囲にも影響が出てくるのでした。
映画『アメリカン・ビューティー』のあらすじ(ネタバレなし)
シカゴ郊外に住んでいるレスター・バーナムは、広告代理店に勤め不自由のない幸せな家庭を築いているように見えますが、成功に躍起になっていました。
不動産業を営む妻キャロラインは自分のことばかり必死になり、思春期の難しい時期を迎えている娘のジェーンは、父親を嫌っていました。
実は職場ではリストラ候補にも挙がっているレスター。漠然とした不安に襲われ現状に不満を持ちながらも毎日をじっと耐えてやり過ごしていました。
そんなある日、娘のチアリーディングを見に行ったレスターは娘の友達のアンジェラに一目惚れをしてしまいます。
そのことがきっかけで、彼が諦めて受け入れていた日常生活の均衡が崩れだし、徐々に周囲にも影響が出はじめます。
映画『アメリカン・ビューティー』の解説
プロデューサーのブルース・コーエンが、アラン・ポールの書いた脚本をドリームワークスに持ち込んで製作がスタートしました。
映画の製作スタッフがサム・メンデスに監督を依頼して、これがサム・メンデスの初監督作品となりました。
本作はアメリカで1999年10月1日に公開されて、アメリカ国内で約1億3000万ドルを売り上げる大ヒットを記録しました。
同年のアカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞の5部門を受賞しています。
他にもゴールデングローブ賞のドラマ部門で作品賞を受賞するなど、多数受賞歴のある作品です。
映画『アメリカン・ビューティー』の見どころ
仕事があり、そこそこの家を持ち、子供もいて一見何不自由なく見えるレスター。
序盤、その何不自由なく完璧に見える家庭を映すシーンには、控えめな劇中の音楽とも相まって、無機質さと所々に隙間が空いているような味気無さを感じます。
決してこの家が満たされていないのだということを見事に表現しています。
そんなレスターに、劇的な変化が現れるきっかけになる出会いのシーンは幻想的ですが、現実離れしたような不安も感じます。
タイトルにある『アメリカの美』と名をつけられたバラのような幸せが、本当に当時のアメリカの中流家庭で実現されているか?という皮肉を感じる作品です。
映画『アメリカン・ビューティー』の感想
娘の友達にときめいてしまったレスターの肉体改造などの努力は、見ていてなかなか滑稽で笑えてしまうのですが、人が生きるのに必要なものが本当は何なのか、レスターも含めた登場人物を見ながら考えさせられる作品だと思いました。
映画『アメリカン・ビューティー』の登場人物・キャスト
レスター・バーナム役:ケヴィン・スペイシー
キャロライン・バーナム役:アネット・ベニング
ジェーン・バーナム役:ソーラ・バーチ
リッキー・フィッツ役:ウェス・ベントリー
アンジェラ・ヘイズ役:ミーナ・スヴァーリ
バディ・ケーン役:ピーター・ギャラガー
バーバラ・フィッツ役:アリソン・ジャネイ
フランク・フィッツ大佐役:クリス・クーパー
ジム・オールメイヤー役:スコット・バクラ
ジム・バークリー役:サム・ロバーズ
ブラッド・デュプリー役:バリー・デル・シャーマン
映画『アメリカン・ビューティー』のスタッフ
監督:サム・メンデス
脚本:アラン・ボール
製作:ブルース・コーエン
ダン・ジンクス
音楽:トーマス・ニューマン
撮影:コンラッド・L・ホール
編集:タリク・アンウォー
クリストファー・グリーンバリー